皆さんは子どもの頃の夢って覚えてますか?
ちなみに私の夢はケーキ屋さんとお菓子屋さんでした!
おいしいお菓子に囲まれて過ごせるって素敵ですよね~
でも、常に甘いものの誘惑があるって考えるとちょっと怖いかもしれません……(笑)。
さて、「いつかは自分のお店を持ちたい!」と考えている方も少なくないと思いますが、自分の住まいと店舗を持つのは費用などの面から難しいもの。そこで検討したいのが「店舗併用住宅」です。注文住宅で店舗併用住宅を建てれば、理想の住まいと店舗スペースを同時に実現可能です。今回は、店舗併用住宅について解説します。
「店舗併用住宅」とはどんな住宅?
まずは店舗併用住宅とはどのような住宅なのかについて、固定資産税の扱いや店舗兼用住宅との違いなどと併せて紹介します。
~店舗併用住宅の基礎知識~
店舗併用住宅は、1つの建物内に居住空間と事務所や店舗などの事業用スペースを設けた住宅です。店舗以外の併用住宅として、居住空間と賃貸として貸し出す空間を取り入れた賃貸併用住宅。同じ建物内に居住空間と医院を併設した医院併用住宅などがあります。
店舗併用住宅を建てる際は、住みやすさだけでなく、収益が見込める立地や将来的な資金繰りなども事前に考えておくことが大切です。
~店舗併用住宅の固定資産税について~
土地や住居などを持っていると固定資産税が課税されますが、住宅用地に関しては一定の条件を満たすことで軽減措置の特例を受けることが可能です。併用住宅を建てる場合は、最低条件として居住空間の床面積が総床面積の1/4以上でなくてはいけません。また、建物の種類と居住部分の割合によって特例の扱いが異なるため注意しましょう。
5階建て以上の耐火建築物
店舗スペースが総面積の1/4以下の場合……専用住宅と同じ特例を適用
店舗スペースが総床面積の1/4超1/2以下の場合……土地の3/4が特例の対象
店舗スペースが総床面積の1/2超3/4以下の場合……土地の1/2が特例の対象
4階建て以下の耐火建築物や耐火建築物以外
店舗スペースが1/2以下の場合……専用住宅と同じ特例を適用
店舗スペースが総床面積の1/2超3/4以下の場合……土地の1/2が特例の対象
※店舗スペースが3/4を超えている場合はいずれも特例の適用外です。
~店舗兼用住宅との違いについて~
店舗併用住宅に似たものとして「店舗兼用住宅」があります。どちらも店舗と住宅を備えた建物ですが、構造や建築基準法によってしっかりと区別されているためその違いを理解しておきましょう。
構造上の違い
併用住宅では、住宅と事業用のスペースが区切られており、内部で行き来することができません。一方の兼用住宅は、住宅部分と事業用のスペースが中で行き来できるようになっています。このような構造上の特徴から、併用住宅は事業用スペースを貸し出すことも可能です。
建築基準法上の違い
建築基準法の第48条では、どんな土地にどんな建物が建てられるのかを定める「用途地域制限」が定められています。この用途地域は、住居系8地域、商業系2地域、工業系3地域の13地域で分けられますが、このうちの住居系にあたる「第一種低層住居専用地域」には併用住宅を建てることができません。兼用住宅であれば、一定の条件を満たすことで建てることができます。
店舗併用住宅を建てる際は注意が必要!
自分のお店を持てるのはうれしいものですが、普通の住宅とは違うからこそ注意が必要なことも! 店舗併用住宅を建てるのであれば、住宅ローンや立地についてしっかりと理解しておくことが大切です。
~住宅ローンについて~
店舗併用住宅を建てる際のローンは、居住スペースは「住宅ローン」、事業用スペースは「事業用ローン」で分けなければいけません。ただし、居住スペースが建物全体の半分以上を占めるなど、一定の条件を満たした場合は住宅ローンに一本化することも可能です。住宅ローンで一本化した場合、住宅ローン控除が受けられるのは面積按分して居住スペース分のみが対象となります。
また、事業スペースのローンに関しては利息部分を経費として計上することが可能です。住宅ローンと一本化した場合は、面積按分した事業用スペース分の利息分が経費となります。
~用途地域の制限に注意~
土地ごとに用途地域が定められており、場所によって建築可能な建物や事業に制限があります。地域によっては店舗併用住宅を建てられても、希望する事業展開ができないことも。用途地域は、市役所や地域によってはインターネットで検索できるので、事前に調べておくと安心です。
また、第一種低層住居専用地域では店舗併用住宅を建てることできません。店舗兼用住宅であれば建てられますが、面積や事業に関して厳しい制限が設けられています。
お店を持ちたいなら店舗併用住宅の検討を!
店舗併用住宅は、住宅ローンや控除の特例、用地制限、事業の継続など注意しなければいけない点が多いため注意が必要です。しかし、住まいと店舗を同時に持てるのは、メリットといえます。「自分のお店が持ちたい」と考えているのであれば、慎重に判断しながら店舗併用住宅を検討してみてみてはいかがでしょうか!